木の洞にひとりごと
うろ覚えのうんちく
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さすがに冷たい。辛い。でも買えない。
娘は現在テスト週間である。 それが終る頃に留学関係の書類の締め切りもある。 それが済んだら海外研修の準備に取り掛からないといけない。 スーツケースが要る。 昔に私が買ったのがあるといえばある。20キロ・三週間用のが。 私が使い友人に貸し、私の両親が10回くらい使っただろうか。 出してみたらすごい箔がついてる。 しかし娘は可愛くないと言う。この価値が分からんのなら好きにしたらいい。 私はハンドでバイト中に買ったので、出入りの業者さんに直で頼んだ。 まるえむのすかいうえいである。当時で4万円(の6掛けだったか7掛けだったか)。 丈夫である。 駅前のデパートだったのでターミナルホテルに宿泊する外国人も来た。 「サムソナイト(スーツケースの海外ブランド)の鍵をなくした。なんとかならんか」 そう言われても扱いがない。 上客なわけでもないんだから断ればいいようなもんだが そこはそれ老舗デパートのプライドゆえか、日本人としてのもてなし気質か 日本のかばんメーカーであるまるえむの営業に「なんとかならんか」と相談。 詳しくは知らないが、結局「なんとかした」のである。 すごいと思う。その外国人旅行客は喜んで発っていった。 スーツケースの他に、娘はデジカメも欲しい。 私は欲しくもないし関わりたくもないので知らん顔である。 電器屋も一人で行けと言ってある。 私がついていったら私が説明を聞き取り扱い説明書を読む羽目になる。 自力が嫌なら詳しい知人に泣きつけ。 そういうのが好きな子なら喜んでつきあってくれると思うが。 アイポット(? よく分からん。音楽を入れて聴くやつ)も欲しいらしいが 買いに行くのも曲を入れるのも面倒で嫌だと言っている。 やらなきゃ覚えないままだぜ 娘。私は知らん。 それどころじゃない。浴衣の着付けも覚えなきゃいかんのだ。 海外研修時に各自浴衣(民族衣装)を着る事になっているらしい。 「浴衣を甘く見たらいかんぞ。旅館のねまきとは違うんだぞ」 さあ。間に合うか 娘。
雪が降った日曜日。
夜、体調崩した旦那のためにポカリを買いにコンビニに行った。 帰り道、推薦で入学を決めたはいいが課題で忙しい筈の、 高校三年男児が雪玉を持って立っていた。 明らかに雪だるまを作ろうという姿勢である。 あにやってんだよ!と言おうとしたら、 「休憩! ずっと勉強していて 息抜き!」と慌てて叫んだ。 大体が悪いと思っているなら自分から声なんか掛けるな。 「俺 大変なんだよー この前の課題提出もギリでさあ。 バイト先でもテストがあるし学校も卒業試験だし」 同情の余地はないが それでも貴重な「息抜き」時間をゲームやテレビに費やさず 雪遊びに当てているあたりは可愛くてよろしい。 その手前では中学生くらいの男の子達が 雪掻きがてら、かまくらを作って遊んでいた。 可愛いなあ。 などとのんきな事を言っていたらば。 本日実家から電話。 明日からのショートの薬の話だが、 (それは母の寝ているベッドの横の棚に用意してあった。 いつも使っている紙袋にセットしてあるんだから見れば分かりそうなものだ。 父が右往左往しているのを黙って眺めているのかと思うと腹が立つ) 「調子は?」と訊いたら雪掻きで筋肉痛だと言う。 しまった! ちらと思わんでもなかったが、まあ必要ないだろうと判断したのだ。 だが父はデイサービスの送迎車のために路地の雪掻きをしたらしい。 まあ旦那が寝てたし、自転車じゃ行き着けなかっただろうから 仕方ないといえば仕方ないんだが。
旦那だった。
日曜日昼食後急に悪くなり、夕方嘔吐。 胃腸風邪である。 月曜日。(雪のための)ずる休みと思われそうだが、 何ともならんので会社を休んで病院に行く。 夕方バスで登下校した息子がコンビニでプリンを買って帰る。 「お見舞い?」と訊いたら「うん」だと。 バス停から徒歩だったのと、部活がなくて帰りが早かったのと 姉がバイトで不在と分かっていた(姉の分は買いたくないらしい。反抗期)のと いろいろ条件が重なっていたせいもあるが、 旦那は嬉しそうである。 今朝、ストーブの前でぐずぐずと休むか行くか迷っていたので 「休むんならストーブ消してベッドに戻っててよ」と なんとなくイラっときたので言ったらば、「行く」と支度を始めた。 朝ばたついている時に目の前でぐずられると鬱陶しいんだよ。 じきに子供達が起きてくることも分かってる。 休むほど悪いなら接触は避けたいではないか。 旦那の風邪が一番疲れる。
「食事の終りの方で何を頼むか」
正解は「チェック」なのだが 娘は「デザート」と答えた。 ちなみに息子は(英語ではなく日本語での質問だが) ちゃんと「勘定」と言った。 雪である。 センター試験二日目である。 朝刊を開いたら昨日の分の問題が載っていた。 去年を思い出して気分が滅入った。 現状に不満はなく、結果的にこの大学でよかったと思うのだが センター試験直後の、あの何ともいえない気持ちは それとは別に苦い記憶となって残っている。 暫くして起きてきた娘は「あ センター問題だ」とか言って 英語の問題を解き始めた。 こいつは何も感じないのか? 昼食を食べながら「去年は雪じゃなくてよかった」とか言う。 思わず嫌味で 「そうだね 雪がひどかったら焼肉も食べにいけなかったものね」と言った。 娘は笑い出し 「そうそう。センター失敗した日に焼肉行ったって言うと皆驚くんだ」だと。 泣く娘に「焼肉どうする? 予約 キャンセルしようか」と訊いたら 洟をすすりあげながら「いく」と言った。 そしてしっかり食べた。 まあ 人間。食べられる間はいいんだ。 たとえ「デザート」で正解が貰えないとしても…… |
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