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木の洞にひとりごと うろ覚えのうんちく うろうろと右往左往
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日曜に実家に行った時に父が書類を書いてくれと言った。
介護関連の引き落とし依頼書である。
母の口座番号と印鑑が要るので鞄を見たが、いつもの場所にない。

古い通帳を探し出しその番号と、多分これという印鑑を捺した。
しかし通帳がないと困るから
退院してすぐ実家に電話し、ショートから戻ってきている母に訊いた。
知らないと言いつつも慌てた様子もなく
「ないならないで再発行の手続きとらないといけないから」と言うと
「病人が騒ぐことじゃない」と突っぱねる。

ということは心当たりがあるんだな。勝手にどこかに移動させたんだな。

隠したいのなら隠してたらいい。だけどそれなら書類も自分で書け。
病院もひとりで行って支払い全部自分でやれ。

「頼まれていた血液検査の結果 半年分くらいコピーして薬の中に入れておいたから」
ショートに行ったら施設の人に渡すように言っておいた。
したらば今実家から電話があり
「薬が来ていないというんだが」と父が言う。
「紙袋に入れていつもの場所に置いておいたけど」

通帳の残高をチェックする気力があるなら
薬ぐらい自分で管理しろ!
支払いも買物もしないくせに通帳抱え込んでどうするんだ
このごうつく!
そんなに娘が信用できないのなら世話にもなるな。
株券(電子化でもうないけど)と通帳鞄に詰めて老人ホームに行け。
そこで有り金全部使い切ればいいだろう。
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先週のショートスティをドタキャンし
来週まではもたないからと今週臨時でいれたんだが
それも当日の朝キャンセルとなってしまった。

日曜日朝と午後、本日朝一番で手伝いに行く。
不調の原因は分かってそれなりに解決はしてきたんだが
こういう時父は何の役にもならない。
ならないどころか悲観材料並べて「疲れた」を連発する。
そりゃ疲れるだろうと思うのだが
だったら座ってるなり横になるなりして身体を休めればいいじゃないか。
なんで私の行く先行く先立って壁にもたれて沈痛な顔で胸を押さえるのか。

邪魔だと蹴散らしたくなるのをぐっと抑え
「座ってたら? 動けるなら喫茶店でも行ってきたら」と言う。

私は限界がくると一切の刺激を拒絶したくなる。
ひたすら寝ていたい。状況の許す限り布団にもぐっていたい。
地震がおきても逃げないだろうと
アウシュビッツに送られたら真っ先に死んでしまうタイプだなと
後ろ向きなことを考えながら痛みとか疲労とかを紛らわす。
動いたりアピールしたり出来る間はどうってことないんじゃないかと思ってしまう。

「娘が5時に戻って夕食 息子は7時過ぎ。旦那は8時半。娘の帰宅が11時。
この状況で同居する自信は私にはない。
帰宅した旦那や娘に静かにしろと言い続けるのも嫌だし
息子の受験の時は息子に集中したい」
8時や9時消灯の両親、自分の子供の生活にも我慢できなかった父、
不調の時はさすがに大人しく言う事を聞いてるが
根本的に私を認めようとしない母が今の若者に合わせられるものか。
同居したらリビングでの団欒はなくなるだろう。

購入したマンションに移るか
(二年前に近くに買った。空き家のまま放置してある)
母を施設に預けるかしか私には考えられない。
他に案があるのなら勿論検討するけど。

「明日からどうしたらいいんだ」と父が頭を抱えるから
そう言ったら
「今は何も考えられない」と怒る。
すぐに出ない結論だから前もって考えておく必要があるのに
これでまた母の調子が戻ったら「ま いいか」になるんだろう。

母は母で、この状況を作った最大の原因は自分のぐうたらにあると
内心では気づいているようだが
それもやっぱり喉もと過ぎれば というやつである。
(ごろごろ寝てばかりいるからあちこちの筋肉がおちて この不始末である。
起き上がろうとしても何ともならない状況に陥って慌てたらしく
昨日今日と声をかけると黙って車椅子に移動したが
これでまた数日したら「ちょこっと頑張ればやれるようになる」と安心して
何を言っても聞かなくなるんだろうさ)

ああ。疲れた。身体も疲れたが、精神的にやられてしまう。
何を言っても訊く耳持たずで
いざとなればボケ(たふり)で逃げるその態度がむかつく。

私は早く死にたい。そんなことばっか考えてしまう。
自分のことだけ考えて暮らしてみたいわ。
 

ケアマネさんだけじゃなくて
産休から復帰のケアマネさん・ヘルパーさん・ショート担当員さん。
とレンタル業者の人が来た。
レンタル業者さんがいるならと
「ベッド用の移動できるテーブルを借りたらどう?」と母に切り出した。
枕元にごちゃごちゃ並べてあるものをその上に置いて
ベッドをあげてテーブルで昼食を食べたりお茶を飲んだりしたら。
だが母は居並ぶスタッフたちに向って
「そんなもの置いたら ますます動かなくなってしまうじゃないの」と言った。

ちょっと待て。ますますって あんた動いてないじゃん。
夕食こそ食卓で食べているらしいが
それ以外はベッドで寝転がったまま食べたりテレビを見たりしてる。
それをあたかも
「食事は車椅子に座って食卓で」と言わんばかりに。

(じゃあ枕元のおやつは何だよ。薬呑みはなんだよ)
よくもまあ しゃあしゃあと嘘が言えるもんだ。

いや。嘘を言っているという自覚はないんだ。
母の場合、口から出た瞬間に全てが事実になる。

病気だ。そうか。病気なのか。
ボケじゃない。昔からそうだったと腹が立つが
そうか 昔っから『病気』だったのか。

思いっきり憐れんで終わりにするしかないのか。

そしてこれも『病気』なのか。
私がお金を勝手に使い込んでいるという妄想。
「疑われるようなことをするあんたが悪い」
「私がいつそんなことを」
先日私が勝手に100万おろしたという通帳。
やはり母が引出しから取ってきたようで枕もとにあった。
見れば三年前に126万引き出してある。
「それまでもちょこちょこおろして使ってたんでしょ」と母が言う。
確かに定期的に記帳されているが
「こんな半端な金額 毎回同じ額を律儀に引き出す馬鹿はいない。
これはきっと保険料か何か」
と言い掛けて思い出した。
「ああ! そうだこの100万 保険料の一括払いだ!
一緒に郵便局行って手続きしてきたじゃない。
それまでの月払いをやめて残額を全部納めてくるって!」

疑うところから始めるから
白いものも黒く見えるんだ。

もういいか… どうでも。

愚痴。カテゴリがプレ介護の時は大抵ってか絶対愚痴。
もともとここは愚痴用に借りたブログだもんねっ!
…ならサイトにくっつけるな なんだが。

そのサイト用の原稿にとりかかるために
今進行中のブログ小説を早く書き上げなきゃと
下書きページを開いたところで電話が鳴った。
実家の父から。
明日ケアマネさんが来るから同席してくれと。

これまでも何度か同席したことはある。
以前にはヘルパーさんの訪問時刻の件で
母の一日をきちんと始めるために出来るだけ早く来て欲しいと
それは勿論両親とも事前に話して決めた上で
段取りを交渉した。
だが次に同席した時に、両親はその時間は不便だと苦情を言った。
当然むこうは「いや そちらの希望で」と言う。
私が説明してもケアマネは不愉快そうに頷くだけで
その場にいた男性職員さんは「その意図は分かります」とフォローしてくれたが
結局私が勝手に決めたことになってしまった。
先日もわざわざ行ったらば、
いる意味がないような扱いを受けた。

今回もし行くのなら
現在月二回になっているショートスティを
一週おきの扱いにして欲しいと言いたい。
(5週目に日曜日があると二週間あいてしまうのだ。これが結構きつい)
だが
父だってそうしたいくせに
ケアマネが即答しなかったら
きっと横から「いいです いいです。適当で」とか言っちゃうんだろう。
そしてまた私が余計な事を言ったようになるんだろ。

正直もう母親のためになーんにもしたくない気分なのだ。
病院の事だって少しでも両親の負担を減らそうとあれこれ考えて
でも何をやってもどれだけやっても空回りになるばかりで
だったらなーんにもやらずにいた方がいいんじゃないかと思えてくる。

お金があるのは不幸だ。
感謝を報酬に換算して、それで清算しようとする。
誰かに何かをして貰っても「お金を払える」というだけで
純粋な感謝を抱く事がない。

数年前の水害の時、実家は泥水に浸かって悲惨な状態になった。
あまりの悪臭に「これは他人に頼めない」と思った。
何をどうしていいかも分からずにいたら、玄関で声がする。
同じマンションのふたりが「勝手に来ちゃった」と立っていた。
「どうせ頼めないだろうって。邪魔なら帰ればいいし」
とっさに返事も出来ない私の横を通り抜け、
「まず家具を外に出すんだって。水で流して」と作業を始める。
デッキブラシも消毒薬もないと知ると、ひとりが買いに走った。

それは紛れもない善意だと思う。

価値観もシュミも彼女らとは合わない。
彼女らの常識に腹を立てた事だってある。
でも、あの時のあの言葉と行動だけは善意でしかないと思える。

それすらも私の母は踏み躙る。
何かものを探すたび「水害の時に捨てられた」と言う。
そうじゃない場合が多いのだが、確かにあれやこれや捨てた。
捨てるしかなかった。選んでいる時間なんてないのだ。
床上1メートルの泥水の浸水だ。どういう状況か。

「あの時に素早く処置したから 床も腐らなかったんだ」
現に同じ工法の家の人が実家を見に来て
「どうしてこんなにきれいなんだ」と驚いた。
すぐに家具を運び出し、水を流してデッキブラシで擦って
天気が崩れる前にと乾かしたから、家は助かった。

「せきすいは1000万かかると言ったよ」と言ったら
父は「その浮いた金だって いつかはお前のものになるんだ」と言った。

「あの子たちが来てくれなかったら何も出来なかった」と言ったら
母は「ただでじゃない。ちゃんとお礼はした」と言った。

なんかもう。何をどう言えばいいのか分からない。
「お礼 目当てで出来る事じゃない…」

彼女らが他人だからではないだろう。
それが私でも旦那でも孫達でも
両親は与える飴を持っているつもりでいるんだ。
水害でも骨折でも、その時にはただ一生懸命で
親に資産があろうがなかろうが関係ないと思う。
そりゃ支払いの心配をしなくてもいいだけ楽ではあるけれど。

…うん。そうだね。
親にかかる費用の心配が要らないというだけでも
本当は幸せなんだよね。

だけど。だから「当然」って親からも周囲からも思われるのが
なんかね なんか なんだ。

はああ。吐き出してすっきりしたところで原稿…いきますか。
ってギャップがさあ…

な 気分である。

4月に介護の認定が更新されるので
その結果を確認してから転院の手続きに入ろうと
「新しい介護保険証が来たら教えてよ」と何度も言っておいた。

昨日「まだ?」と訊いたら「ケアマネに渡した」と言う。
そして探るように「どうして保険証が必要なの」と訊いてくる。
前に説明したし! 別に必要じゃないし! 介護度が知りたいだけ。
大体が届いたらすぐに知らせてくれと念押ししたのに!
怒りを抑えて何度めかの説明を繰り返す。

どうも私が介護保険証で何かやろうとしていると勘繰っていたらしい。
病院の診察券ですら取り込んだ事を咎められた。
介護保険証で一体何が出来るんだろう? 借金か。預金の引出しか。

「知らない間に勝手に引き出されている」と言う。
「どの通帳。いつ。幾ら」
「この前見つかったやつ。100万降ろされてた」
年金手帳を探していたら、旦那名義の郵便局の普通口座が見つかった。
こんなとこにあったじゃんと引き出しごと見せた記憶はあるが
通帳はそのままそこに放り込んで、もともとの探し物に戻った。
確認しようとその引出しを開けたら、ない。
ないと言ったら「知らない」と言う。父に尋ねたが知るわけがない。
大体が取引明細を見るだけの時間なんてなかった筈で、
私は残高すら見た記憶がない。
という事は後から母ひとりでゆっくり眺めたという事である。

台所の手前にある棚の引出しだから、車椅子で前まで行ける。
父のいない時にひとりで取りに行ったとしか考えられない。

トイレも行けない人が、通帳のためなら移動できると。

まあいい。どうでもいい。とにかく今日は病院の話だ。
介護保険証云々の説明も忘れているなら
転院のための紹介状云々も事も忘れているんじゃないかと
再々再度の説明を始めようとしたら
簡易保険の保険証を広げて眺めている。
「お金の事より 病院の方が大事でしょう!」
「あんた お金が要るの?」

きいいいいいっ。
要らないわけがない。だが親にせびるほど困窮しとらんわいっ!
ましてや勝手に親の預金を動かすわけがない。

もうさあ。
実の娘が信用出来ないのなら
通帳全部持って施設のお世話になったら?
施設でならあんたの大好きな「明細」発行してくれるよ?
それこそおむつ何枚、通院介添え何時間ってさ。

昼食を済ませ父と別れた直後から涙がとまらなくなる。
ビールのせいもあるだろうが、どうにもならない。
気晴らしにSCでもぶらつこうかと思っていたけどこれじゃ無理。
哀しいとか悔しいとか、そういう感情じゃなくて
とにかく泣けるんだ。


息子がケーキとワインを買って来た。
そう。母の日だった。
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