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木の洞にひとりごと うろ覚えのうんちく うろうろと右往左往
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「そろそろテニスシューズがやばいんだよな」
この春高校三年生。部活動も秒読みだから「買うなら早くね」と言った。
したらば「はあ? 買うわけないだろ。あと一ヶ月もないのに」だと。
え?
「4月引退だよ」
「え。じゃ それで受験体制突入ってこと?」

ショックである。
その1 受験生の三文字が重い。
その2 部活がないと帰宅が早い。

娘もそんな早かったっけ? いやいや。4月ってこたないだろ。
進学レベルは娘の高校の方が上で指導も熱心だった。
なのになぜ部活の引退ばっか息子の方が早いのか。
娘は引退後もほぼ毎日補習が入っていて帰りは遅かった。
息子は? 補習してくれるんだろうか。
二度ほどぼそっと「塾」という単語を口にした。
塾に行きたいという事なんだろうか。

ああ。めんどい。


さて。和室の本棚、というのは
スライド式になっていて、それが横に並んでいる。
(家具店の親戚に頼んで 上下セパレートの本棚の上だけを二つ売って貰った)
左の端っこに隠してあるBL系含む、子供達に貸していないマンガを
右の端っこに移して、
左から二番目の絵本やパンフレットを右から二番目に移して
つまりは左端二列を空けて、そこにあの棚からコミックスを移動させる。

文で書くと簡単だが、その右二列を空けるための作業がまず待ってる。
結構遠大な計画なんだぞ。

とかなんとか。私にとっては一大事業だが、他人にはどうでもええ話や。

……いい機会だから、今現在何冊コミックスがあるか数えてみようか。

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円ショップでA4サイズのプラケを買って来た。
引き出しの取り扱い説明書の束を整理したらちょうど入った。
結構不要なものも混じってた。
空いた引き出しに棚上部から実家関連のものを移す。
下部の左右の開きの中を整理し、片方を空にする。

同じく円ショップで見つけた10~15冊程度入るブックケースを使い
あっちのマンガをこれに、こっちのマンガをあっちにと入れ替え
例の(避難経路を塞ぐ要因となる)棚の中から
「ハガレン」と息子が勝手に押し込んでいったコミックスを出す。

ここで気づく。
我が家ではマンガはほぼ全部暗いところに置いてある。
つまりは人目につかないところという事だが
結果的に日焼けを防ぐ。
透明なプラケに入れたマンガをうっかり南の部屋に放置したら
半年で台無しになる。これはいかん。
やはり和室の本棚を活用する事を考えよう。

と本棚の整理を始める。
古い日記帳(中学校の時に買った鍵付の)。
日記としては殆ど使われていない。これは捨てようとページを捲る。
覚えのないページがあった。
「友人宛」設定で書かれた手紙文。

「どういう理由で優しくしてくれるのなら 私は納得していいのですか
喜んでいいのですか」

「これまで私は私の判断で選び 捨ててきました。
或いはまた あなた達の判断に委ね 選ばれてきました。
私はその意味で 思った以上に自由でした。
幸運とは気づかぬ事の方が多いのですね」

「私は いい人 というのはどうも苦手です。
多分価値基準が大きく私とはずれているからなんでしょう。
気を遣われる程に苛々します。
私はあなた達なんか嫌いだと言えたら どんなにすっきりする事でしょう。
でも言えません。私の友人ではないからです。

私の友人に いい人 というのはいなかったような気がします。
それは事実でしょう。私自身がそうであるように。
それでも私は友人達が好きだし 友人達も私を見捨てなかった。

今とても問いたく思います。
何をひきかえに私を許してくれていたのですか」

あと最後に、娘に宛てたと思われるものがひとつ。
「もし あなたが姉の生まれかわりなら
それは私自身の生まれかわりでもあるのです。
私たちに果たし得なかった事をあなたに託したい。
私にはまだ時間も可能性もありますが
私が私である以上 それは叶いません。
だから或る意味では 
あなたは誰の生まれかわりであってもいけないのです。
ただ夢の中に育まれた子であって欲しい。
そう。私たちの」

残りは破って捨てた。これもオリジナルは捨てる。
一リットルの涙。
毎日2話ずつ放映する。だから毎日2話見ないと追いつかないのだが
水曜日の夜
一話分だけ見て、「病気はどうして私を選んだの?」で
「はあー 気分悪い。しゃべくり見て すっきりしよう」と
予約リストに切り替える。
「そんな気分悪いなら見なきゃいいのに」
「でも気になるだろ」
「何が」
「やー お母さんと姉ちゃんは見たんだし」
「私らは面白く笑って見てたけど? 突込みどころ満載でさ」

そして昨日。頑張って二話分見ていた。
ドラマをご存じない方にはお分かりいただけないが
主人公が好きな先輩との待ち合わせにすっぽかされるシーンがある。
そこへ麻生くんが駆けつけるわけで。
「んっ? これ 動物園の中?」
「中でしょ(動物園か何か知らんが)」
「って事は 麻生くん わざわざ入場料払ったわけ?」
「あー そういう事になるかなあ」
「かっけー!」 うっとりと嘆息する。

……

さすがの娘と私も、その点には気づかなかった。
そう。(医者の息子でリッチと思われる彼だが)麻生くんは
すっぽかされてがっくりきている主人公を探すために
「わざわざ」「入場料を払って」園内に入ったわけである。
そこに着目した息子はすごい(のか?)。
だが何だ。その心の底からの「かっけー」は。

更にひとこと。
「けどさ ふつー 中で待ち合わせするか?」
ゴルフのりょうくんが。

今回の「賞金全部募金する」発言も
素直に感心できません。

野球のさいとうくんも嫌い。
これはもう完全に主観というか好き嫌いというか
とにかく駄目なのである。
性格は顔に出る。ふたりとも顔を見るのも嫌。

以前嫌いであったキャラの、意外な一面を見て好きになる
という事は人間あるもんだ。
私にとって、あらしのまつじゅんがそう。
嫌いだったけど、今では好感持ってる。
最初はちゃらいの、かっこつけだの、やたら目立つだのと
反感を持っていたが
ある番組でくだらない事でも手を抜かず嫌な顔もせず
最後まで頑張りとおすのを見て見解を変えた。
(一緒にやっていたさくらいくんはちょっと顔に出てたんだよな)
その後もあらしの活動を知るにつれ
あらしの中で一番あらしを維持する事に熱心なんじゃないか とか
実はすごい努力家なんじゃないか とか
そんな風に感じてる。

だから。
りょうくんもいつか好きになるかも 知れんが
今は嫌いだ。
非常用持ち出し袋は入れるものが揃わないので後回し。
まずやるべきは、
避難経路の確保(つまりはマンガの整理だな)。

戸棚のコミックスの受け入れ先を探さないといけない。
押入れを開ける。
見るまでもない。ぎっしりである。
閉める。

終る。

待て待て。折角腰を上げたんだ。成果が欲しい。
押入れが無理なら家具の間とか部屋の隅っことか分けて置くしかない。
ハンパな隙間しかないから箱に小分けする。その方が取り出しやすい。
マンガケースは意外とかさばるし、プラ製品は増やしたくない。
段ボールでは大きさがばらばらになってしまうので
紙の箱を(出来れば円ショップで)探そう。
箱といえば、
リビングの棚の引き出しに押し込んである取り扱い説明書を
別の場所に保管しようと考えていたではないか。
あれを放り出せば引き出しが一個空く。
引き出しに棚のものを移せば棚が一段空く。
そこにアレを入れて、
アレのあったところにソレを入れて
ソレのあったところにマンガが入れられないか。

処分できるマンガはもう大方売り払ってしまった。
残っているのは二度と手に入らないものばかり。さすがに思い切れない。
地道にそれらを分散させ、それらが入っていたマンガケースに
棚の本を入れる。
家中のマンガを整理しないといかんだろう。

はあああー

贅沢な悩みです。分かってます。
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