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木の洞にひとりごと うろ覚えのうんちく うろうろと右往左往
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土曜日入校式の帰りにSCに寄って買物してくると娘が言った。
コートが欲しい靴が欲しいと言っていたから
何を買ってくるかなーと楽しみに待っていたら
「手帳とヒートテック一枚だけ」だった。

日曜日。息子が学校で聞いてきたラーメン屋かとんかつ店に行きたいというので
火曜日がインド料理だからまあラーメン程度でと考えていた。
したらば娘がラーメンは嫌だと言う。「昨日も一昨日も食べた」
「昨日の昼はおかずがあるにも関わらず あんたがラーメンがいいって言ったんじゃないか」
いくら正論でも娘の駄々は打ち砕けない。
結局火曜日のインド料理を焼肉に変更する事で息子に手を打たせる。
しかし。
夕方になってさあ出かけようという段になり、娘が「あつたイオンに行きたい」と言い出す。
道筋等うだうだやりながらとりあえず車を出す。
目当ての回転寿司はめちゃこみで2時間待ちだという。
冗談じゃない。
娘に夕食を諦めて買物しろ。その間旦那と息子に食事を済ませておいて貰えば
ゆっくりショッピングできるだろう。と提案する。

当然のように私もつきあって食事抜き。
そして買ったものは安売りのTシャツ一枚とティッシュケース。
コートは何枚も試着するも決定打がなく見送り。

「ひとりで見た方がいいかも知れんよ」
「なんで」
「ふたり分納得するの難しい」

大体が私の基準は「何割引であるか」だもん。

息子の通学靴購入。
娘のコンタ代を引くと、今月残金あと12000円。
(焼肉は食事券で払う)
 

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本日娘、入校である。
カレンダーに本日の予定が書いてなかったので
一日家かと思っていたら「1時45分からだから」とか言っている。
何の話だが全く覚えていなかったが、訊くと怒るので適当に話を合わせる。
娘が支度を始めて(教則本とか)漸く「そういえば」と思い出す。

そりゃ確かに入校を決める時一緒に考えたさ。
お金の振り込みも住民票を貰いに行くのも私がやったさ。
でもその後いろいろあってすっかり忘れてた。
自分はぽろぽろ忘れるくせに、私が何か忘れると怒る怒る。
何ヶ月か前に訊いた英語の言い回しをまた訊いただけで怒られる。
私って可哀想すぎると思うぞ。

「一旦通帳に入れてきなさいよ」と言ったら(50万の話)
「定期じゃ駄目?」と言う。
「駄目! 使うの!」
「自分で貯めた分で何とかなると思うんだけどなあ」
「それならそれでもいいけど いつでも使える状態にしておきなさい。
ヒートテックも自分で買うんだよ!」
「えええ」(アホか お前は)
「その方がいちいち相談しなくて楽でしょう? 自分だけで決めたらいいのよ」
「私の責任で って事なんだよね」
ご名答!
お金を使うって事は決定の責任をもつって事なんだよ。
何に使おうがあんたの勝手だけど、それは全部「自分で決めなきゃいかん」のさ。
使う対象も時期も自分で配分しなきゃいけない。
「もう私に訊かないでね。煩わせないでね」
わはは。ざまあみろ!

もうこいつとつきあうの嫌なんだよ。こいつに振り回されるのやめたい。


がん保険の話。
別の取り扱い店から電話があったので同じ質問をしたら
「調べて掛けなおします」と言われた。
旦那にその話をしたら「どうせ派遣だからそんなもんだ」と言う。
たとえ派遣でもバイトでも仕事である以上勉強しろと言いたい。
本を一冊読めば済む事だ。最低限な知識はそれで身につくし、
それを念頭において保険要綱を読めばおのずから疑問点は見えてくる。
そしたら事前に調べておくぐらい出来るだろうに。

二人目の人はまだ知らない事を恥じるだけの知性はあったが、
最初の男はマニュアル以外の事を突っ込むこっちが悪いみたいな
(勿論口に出しては言わないが)気持ちが漂っていた。
これは会社の教育が悪いんだ。
一日の研修で済む話じゃないか。一冊の本を渡せばいいだけの事じゃないか。

私がハンドバックでバイトを始めた時、
メーカーがくれた本を何度も何度も読んだぞ。
革の種類、なめし方、特徴は当然のこと、ブランド名まできっちり覚えたぞ。
いかにも精通しているかのように「ああ あのデザイナーはね」と
お客と話をあわせられるだけで信用が勝ち取れる。

勉強しろ! 社会に出てからだって日々勉強だ! 若者。

うにくろの広告を見ながら「今度こそヒートテックを買う」と言い、
私に向って「(これは肌着扱いだから)払ってくれるんだよね」と訊いた。
姉のお金を渡す話をしてあった旦那は怪訝な顔をしたが
実はまだ渡してなかった。
現金は用意してあるのだが、バイト意欲をなくしている娘に
今渡していいものかどうかと迷いが出たのだ。
(お金を自由に使うのと  バイトを続けるのは別の問題。
お金を渡してモチベーションを低下させても可哀相かなと)
「下着類は家計費で払うことになってるから」とその場では言ったが、
その前に買ったハンドクリーム代も下手すれば請求されるかなと
先手を打って50万渡した。
「なに これ」
「お金」 (見れば分かる) 「あげる」
「要らない」
100円単位のお金を私からせびりとるのが好きなのである 彼女は。
「シンガポール(必修の海外研修)の準備の分もコミだから」
「それは自分で貯めた」(知ってる。通帳に貯めてあるよね)
「それはそれで使って これはこれで好きにしていいから」
私の姉が私にと遺したお金である事を説明する。
「お姉ちゃんが使えなかったお金だから あんたが若いうちに使って」
「……」
「だからヒートテックも自分で払ってね」

やれやれ。これでセコい攻防はなくなる(筈だ)。
姉ちゃん ありがとう。
使うの娘だけど私も助かるよ。
留学が決まったら残りの分も娘に見せるよ。費用と小遣いをそこから出すね。
息子に渡して残ったら旦那と私で旅行もいいなあ。
 

毎週にのの出るドラマを楽しみにしている息子。
だが今週は録画予約を忘れてた。
9時少し前に私が気づいて慌てて録画した。
忘れていた事にいつ気がつくかと、その狼狽振りを愉しみたくて
何も言わずに放っておいたが、息子が出てくる前に寝てしまった。
次の朝、息子がぼそっと「忘れた」と言ったので
「やっといたよ」と応えたら、「そうなんだ」と想像より反応が薄い。
なんだ つまらん。

だが夕方学校から戻ってきて、着替えをしながら
「フリーターさあ 忘れてただろ もんのすご萎えてさあ。
出てきたら お母さんもう寝てたし もう駄目だと思ってたからさ。
よかったあ」とにこにこ言う。
ああ。そうか。こいつ朝は頭が起きてないんだった。
「よかった」と何度も言う。
私が皿を洗い終わるのを律儀に待って、再生を始める。
こういうとこ可愛いんだけどな。

その後英語の教科書をコピーしてというからやりながら、
「この前もコピーして 進んでるようだけど 予習するとこ見た覚えがない」
と言ったら、「どうせ追いつかんでやってない」と抜かす。
いかんだろ! 英語だけは予習せんと!

可愛いだけじゃ駄目だよ 男は……


一方可愛くない娘。
塾のバイトに「行きたくないー 面倒くさいー」とぼやく。
そんなに疲れているのかしらと心配したが
「……あんた これが遊びに行くんでも億劫なんじゃないの」と言ったら
「夜出て行くの面倒ー」だと。
挙句「生徒なんかもっと可哀想だよねー ひとコマだけのためにさあ。
お金も貰えないのに来なきゃいけないんだよもんなあ」と言う。

そうだ。こいつは夜の塾なんて行った事がないんだ。
(高校受験の土日集中講座とかだから昼間だけなんだよ)
自分の時に夜出慣れていればここまで苦痛じゃなかったかも知れん。

娘が疲れている。
このところ休みがないのと、あれこれ重なっているのと。
TOEFLの点数が思うように上がらないのも一因なんだろうな。
どこだって決まった国が縁のある国だと割り切れと言っているのに。
てか、どうせならアメリカよりヨーロッパの方がよくないか?

自動車学校を申し込んだ。
今度こそひとりでやらせようと思ったのだが、
あまりの疲れっぷりに倒れられても困ると住民票を貰ってきてやる。
振り込みもして来てやった。でも自動機でもよかったんじゃないか。

もう少し先でいいとも思ったが、母から
姉が遺したお金の入っている通帳を借りてきた。
姉が遺したものなんて私には権利がないからと
ずっと思っていたけど、姉が私にあげると言った理由を考えて、
「若いうちに使って欲しい」という意味合いが強かったんじゃないかと
でも私はもう手遅れだし、姉の最期を知っているだけに使う事も出来ないから
それなら娘に使わせようと思った。

何もかも握りこもうとする母に対する反発もあったんだけどね。
親のものを欲しがるつもりはないけど
姉の意思を踏みにじる様な抱え込みはやっぱ許せない。
私が無駄遣いするとでも思っているのか?
でも姉が望んだのはそれこそその「無駄遣い」だと思うんだ。
私がバイト代を母に取り上げられていたように
姉も収入を「貯金しろ」と言われ続けてきたんだろう。
将来を考える事も大事だけど、10代は一度しかないんだし
お金の使い方をきちんと覚えておかないと私みたいになってしまう。

「通帳どこにある?」と訊いたら
「その鞄。あんた どうせ いつもこっそり捲ってるんでしょ」と言う。
私をそう疑うという事は、自分がそうしてきたという事だ。
私たちが子供の頃、勝手に引き出しあけたり、手紙を読んだりしてたんだね。
ああ。何もかもが嫌。

金額を見て一瞬迷ったが、姉の分は全部おろして手持ちの通帳に移した。


娘があんまり疲れたとぼやくので
息子が「大学が一番青春できるって聞いたけどそうでもないんだ」と言った。
「青春というなら 高校が一番だよ」と娘。私もそう思う。
すると息子「はあ? 姉ちゃんの高校時代に青春なんかあったか?」と言う。
失礼な! 
「それは私に対する冒瀆でもあるわね。異性と遊ぶだけが青春じゃないぜ」

まあいろんな意味で私言われますけどね。「青春のなかった女」
それもこれも……
 

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