木の洞にひとりごと
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朝刊で映画の紹介を読んだ。
壊滅状態の世界を生き抜く父子の話。 話はその壊滅の日から始まり、 10年後から本筋となる。 その中で スーパーで埃まみれになっていたコーラの缶を見つけ という記述があった。 その発泡と味わった事の無いおいしさに息子が感動し とある。 10年後のコーラってどんなんだろうと真剣に考えてしまいました。 そりゃ泥水に比べたらおいしいんだろうけど。 それともこれは近未来の話だろうから 缶詰技術も発達してて20年でも大丈夫になっているのか。 そうでないと困るよな いろいろ。 テスト週間が終わった。 「テスト中一度は八宝菜」という事になっている。息子。 バリそば である。 ひとりで焼きそば三玉分食べる。あればもっと食べる。 それだけ揚げるのも大変だが、八宝菜の方も大変である。 以前は大鍋で作っていたけどまずそうなんで フライパンで二回に分けて出すようにした。 娘は大学生だし(テスト期間が重ならない)息子は男子高校生だから もう勉強用おやつは作らないだろうと思っていたが 息子がミルフィーユが食べたいと言った。 ミルフィーユたって我流で パイシートの焼いたやつに カスタードとホイップをサンドしただけの代物である。 バレンタインの時にはこれにチョコをかける。 先週はクッキーを焼いた。 おお振りのビデオ(12話はすごかった!)を見ながら バターをホイップしたのですごくなめらかになった。 月曜日が八宝菜。 火曜日ミルフィーユを作ったらカスタードが余ったので 水曜日シューを焼いた。電子レンジのオーブン機能ではうまくいかん。 お菓子といえば先日娘が他人様にあげる目的でケーキを作ると言った。 我が家の中で一番台所から遠いところにいる女が、である。 怖いもの知らずだなあと思う。 私は基本、自分が作ったものを他人にあげたくはない。 ガキどもに食べさせるのは抵抗なかったが大人相手は嫌である。 子供は「友達と一緒に自分ち以外の場所で食べる」事が重要だから 味が悪くても構わない。 初めてスポンジを焼いた日に、たまたま公園から10人ばかり子供が来た。 パウンド型で焼いた長方形のケーキを12等分して食べさせた。 歯ごたえのあるケーキだった。 それよりはマシなものが作れるようにはなったけど 今の年齢になった子供の友達にそれらを食べさせる気にはなれない。 お菓子作りが好きなわけでもないしの。 娘もそうだが、他人様にあげる時だけ好きになるらしい。 こういうところ誰かさんそっくりで嫌だ(隔世遺伝)。
湿度が高いと掃除も大変だ。
もとからきれい好きじゃない。 しかし掃除機はかけないといかん。 早く終らせるには部屋の中が片付いてないといかん。 「モノを置くな!」「かたづけろ!」「ゴミはすぐゴミ箱に入れろ!」 叫んでも叫んでも好き勝手に散らかしてくれる。 ああ。一人暮らしがしたい。 土曜日。今週は旦那休み。 日曜休業の店にランチに行こうかと言っていたのに 子供達の反対にあって断念。 まあ私はこいつらのいない時にいきたかったんでいいけど。 何度か行ったことのある和食の店に行く。 メインに一皿頼んで「おかずバー」をつけるというシステム。 近頃ではメインよりこのおかずバーの方が目的である。 白和えやおひたしやきりぼしなど 少し食べたいけど作るの面倒という料理が並ぶ。」 冷奴とかもずくとか、いずれにしても少しだけ食べたいというものも。 そのうえ! からあげとコロッケも! どれもおいしい。 一番の目当ては「杏仁豆腐」である。 おかずバーは300円だが、この杏仁豆腐だけでも300円の価値がある。 今回はわらび餅も楽しみにしてた。これもおいしい。 おなかいっぱい食べて伝票を見て小銭をぴったりにして旦那に渡す。 ところが渡されたお釣りは1600円。 「なんで?」 「お前が計算間違えたんだろ」 そんなわけないよなあとレシートを眺めたら 600円値引きされていた。 なんで? そういえば前に来た時「おかずバー半額券」を貰ったような気がする。 でも期限が切れたんで捨てた筈。 スタンプカード出したからそれで半額引いてくれたんかなあ… 嬉しいなあ。600円は大きいよ。 日曜日。実家。 相変わらずなんだから慣れればいいものなんだが あのベッドを見るたび苛々イライラおさまらない。 視界に入れないよう作業をするんだが 話し掛けられたらそっちを見るしかない。 そしてまたお金の話。 「だから私 あんたのお金なんて盗ってないって」 通帳の払い戻しの説明をしようと別の通帳を出してといったら 「あれは私が作ったんだ」と警戒する。 こうなるともう病気である。 夕方。 「そうか。もう次からは疑われたら 『うん そうだね。そうかもね。そういうことにしておこうか。 だったらまた盗るかもね』と言えばいいんだ」 本当におろして来てパーッと使っちゃおうかしらね。 母が特に強く握りこんでいる通帳は私の旦那名義のである。 そこの定額貯金に入っているのは ずっと昔に起業騒動の時に借りたお金の一部を返したやつと 金額は知らないが 姉が遺したお金である。 「あんたの旦那名義で作ったけど これは私のだから」 「どうでもいいよ。どうせ1000万の限度額うちには関係のない話だし」 と放っておいたのだが あまりにしつこくて頭に来たんで口走ってしまった。 「でもね お姉ちゃんは自分のものは全部私に遺すって言ったんだよ 『ぜーんぶKちゃんにあげる』ってね」 仲の悪い姉妹だったが、 最後の時間を一緒に過ごした。 「Kちゃんには何もしてあげなかったのに 一杯面倒かけたね お金あげるから使ってね」と言ったのだ。 私は感覚が麻痺していて 哀しいとか姉のためとかいう意識にも欠けていて 役割を果すためにだけ明るく演じていた自覚があったから そんなものを受け取る権利も実際にはないと思ってた。 だから黙っていたけど あんまし腹が立ったから思わず言ってしまったのだ。 したらば。 「知ってる」 え? 知っててあんた握り込んでたの? 握り込んでるの? 頭が真っ白になった。 それでもその時はそんなお金どのみち要らんしと思ったが 後になって あれはもしかして姉が謳歌し切れなかった青春を買うものだったのか という考えが浮かんできた。 それならば私はもう手遅れだけど(……) 娘や息子に今渡して今使わせるべきものではないのか。 無駄遣いするように育てた覚えはないから 大事に使ってくれると思うんだ。 若い娘や息子が、お金がないという理由で諦めなきゃいけないものを 手に入れられるのなら それこそが姉の遺志なのではないか。 お金は大事だよ。 でもお金は使ってこそだとも思うんだ。 ま 姉貴のことだから どうせ今頃どこかに生まれ変わって忙しくしてて 昔の事なんか忘れてしまっているんだろうから いいけどさ。
新刊を買いにいかなくてはならないのだが 雨である。
傘差し運転が出来ないので徒歩である。 歩いていける一番近くの本屋で娘の同級生の男子がバイトを始めた。 それを聞いてから私は一度も行っていない。 実家帰りに車で寄る本屋でも娘の友人がバイトしてる。 先日息子が寄るというのでつきあったが 見つけた新刊を息子に差し出し「レジに行ってきて」と頼む。 実家と行く食べ物屋でも娘の友人がバイトしてた。 世間は狭いぜ。 娘の友人が塾で講師をしていて 近所の男児の担当になった。 彼女の年齢を聞いたその男児は 「同じ年の女の人知ってるよ」と話し始めた。 友人が名前を訊いたら娘の名前を言うので 笑いを堪えながら聞いていたらしい。 やたら誉めまくったとか… どこでどうそういう美化が始まったのか。 さすがにここ数年一緒に遊んではいないが 子供の頃の癇癪娘の姿を見ているはずなのに なぜか「すごい人」なイメージが出来上がっている。 この男児は私が哺乳瓶が恋しくなった頃に生まれた。 毎週預かってはミルクを飲ませおむつを替えてやった。 強制されると苦痛な育児だが ミルクを飲ませる作業はやはり愉しい。 ひとり遊びが出来る年齢になっても我が家に来ていた。 幼稚園の見送りの後ついてきて ひとりで遊んでいた。 おもちゃの場所を知っていてそれをねだるから 出してやった後は家事の続きをする。殆ど邪魔にならない。 その間に彼の母親は家事を済ませて公園の行く準備をする。 いつだったかそのまま昼を食べ、昼寝をして そろそろ家に帰そうかというところに幼稚園組が帰ってきて遊び出した。 夕食を一緒に食べて、我が家の就寝時刻になった。 実に12時間の余、我が家にいたわけである。 玄関まで送ってお母さんに抱っこで手渡ししたら大声で泣き出した。 必死に私に手を伸ばしてくる。 いろんな子を預かってきたけど こいつが一番懐いたかも知れない。 と書くと私が子供好きと勘違いされそうだが 違う。 嫌いである。 だから娘も子供が苦手だと思っていたが どうやらそうでもないらしいことがバイトで判明した。 私が預かったチビどもを娘と息子で面倒みてたから そのせいかなと思わないでもないが 息子はチビが好きでやっていて 娘は長女の役目としてやっているとばかり思ってたんで ちょっと意外ではある。 まあ 悪い事じゃあない。 |
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