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木の洞にひとりごと うろ覚えのうんちく うろうろと右往左往
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息子が「おい 柔軟」と言った。
忘れていた。ずっとやっていなかった。
「どれ」と傍に行き、絶句する。

またあのがちがちに戻ってしまっている。
あんなに毎日頑張って柔らかくしたのに!

図解しなきゃ分からないだろうが
両脚を伸ばしての前屈の場合、両手を前に突き出して
カタカナの「ヒ」の字なのである。
両脚を開けば体が後ろに仰け反って前に倒せない。
足の裏を合わせて膝を左右に倒そうとすればVの字である。

とにかく固いから、背中を押すのだって重労働だ。息が切れる。
「せっかくほぐしてやったのに なんだってサボるんだ 馬鹿たれがあああ」

最後に息子が開いた脚の間に私が脚を入れ、
脹脛のあたりを足の裏で押しつつ左右に押し広げる。
互いに向き合って脚を開いた状態で数分。
…すっげえ間抜け。
だが息子は「おお伸びてる伸びてる 気持ちええ」。

これもふれあい? そんな慰め欲しくないやい!
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