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木の洞にひとりごと うろ覚えのうんちく うろうろと右往左往
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テスト期間のある日。
戸棚の前に立って「今日の夕食何?」と訊く。
八宝菜と答えると、唸った。
なんで? お約束の八宝菜じゃない。あんたの好きな八宝菜じゃないか。
(正確には五目ばりソバである。テストの時しか作ってやらない)
「……じゃ おやつにポテチを食べるのはやめとこう」
と戸棚から手を離した。

つまりよりおいしいく夕食を食べるために おやつを我慢すると。

別の日、同じ場所で「夕食は何?」と訊くから「豚汁」と答える。
また頓狂な声で「ぶたじる?」と叫ぶ。
「いかんの?」
「いやいや」 戸棚の中をじっと見ている。
またか。「食べたら? もう今日しかないんちゃう?」
部活のある日はおやつなど食べている暇はない。
「うううう」
「ポテチ一袋 いくらよ? 小遣いでも買えるだろ! 迷うな 悩むな!」
「そ そうだよな。しかもこれは じいちゃんに買ってもらったやつだし」
(日曜日に実家に行った際に 一緒にコンビニに入って買って貰った)
と戸棚を開けてポテチを取り出した。

そして「おいしい」と言いながら食べた。

ささやかな幸せに浸る彼は幸せなのか
ポテチ一袋で悩まなければならない彼は可哀想な子供なのか。

犬のように耳と尻尾を垂れさせて戸棚の前に立つ彼を見ることのできる
母親であるところの私は幸せだけどな。
こんな面白い玩具はなかなか手に入らんだろう。
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