受験生である。
「皆 もうとっくに願書取り寄せているって!」
今はネットでも申し込めるらしい。
週末に申し込んだらもう届いた。だがそのまま置いてある。
それを開けたら受験本番な気がして私は怖い。
だが支払わなきゃいけないのも混じっているから、それだけ封を切る。
伝票だけ抜き出す。
ぱらりと落ちた紙に「合格弁当」とある。「合格弁当?」と声を上げたら
娘が異様な熱心さで覗き込む。
「え 食べたいの?」
「だって興味あるじゃん。こんな機会ないんだよ」
なんだ。反応したのは「合格」の方じゃなく「弁当」だったのね。
でもそれは宿泊セットの内容で、ホテルに泊まる受験生用のものでした。
受けるところは大方決まっているが
どの学校をどの方式で受けるか、日程とセンターの結果を見て考える。
完全なすべり止めはセンター100にしたいが、枠がなあ…
併用も一般もテストを受けなきゃいけないんだから手間は同じな気がする。
今頃になって「とれる資格」だの「主な就職先」だのを見ている。
「どっちが就職に有利かなあ」と悩んでいるのは
『本命』とその上のレベルの私学とである。
…どんだけ楽観的なんだ こいつは。
一方相変わらず勉強しない息子。
私が聞き間違えるのを「もう! どんだけ耳悪いんだ」と言うから
「あんたの頭くらいかね」と言い返す。
「俺 そんなに悪くない」
「私の耳があんたの頭より悪いってか? んじゃ あんたの顔とか…
あーA子の性格とか?」
「そりゃ 姉ちゃんの性格だろ。俺 顔悪くないだろ?」
ええええええ!
「…いいよ」
「いい?」
「自分に自信がもてるのはいい事だって言ったんだよ。
ああ 確かにあんたは可愛いよ」
「な。よく言われるもん」
……どいつもこいつも。
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