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木の洞にひとりごと うろ覚えのうんちく うろうろと右往左往
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メールには財布が見つかったことしか書かなかった。

帰宅した息子は財布に突進した。
撫で回した後に開いて「あれ? お金がそのまんまだ」と言う。
「?」
「お礼渡してないの?」
ああ。「相手の人 名前も言わなかったんだって。お礼は要らないって」
「うおお 格好いいぃ」
ちくしょー かっこいいぜぇ みたいな感じで足踏みをし、
「どんな人かなあ 男の人かなあ」とうっとりと宙を見る。
着替えを済ませ、
「なんで名前言ってくれなかったんかなあ お礼言いたいぜ」とかやってる。
彼の頭の中で拾い主は
「背の高い」「20~30代、いや渋めの40代」「男の人」になってるに違いない。

買物帰りのおばさんだったらどうするんだろう。
いけいけの女子コーコーセイだったらどうするんだろう。

まあいいや。世の中に「いい人」はいる。自分もいい人になろうと思ってくれたら。
財布が戻ってきた歓びを忘れなければ彼も財布を届ける人間になる
ってかもとより彼は決して猫ばばなど出来ない性格なんであるが。

ところで猫ばばの語源ご存知だろうか。
猫が んこした後に砂をかけて隠す事だよ。

彼の性善説が裏切られなかっただけでも喜ばしいことなのに
妄想に浸る悦びまで与えてくださって 拾い主さま 本当にありがとう。


ところで私。
警察署で「ご確認くださいね」と現金と、学生証を提示され
そこに貼り付けてある息子の写真をみて吹き出してしまいました。
美少年からは程遠い彼であるが、その実物よりまだ酷い不細工がそこに写っていた。
私の反応を見て受付の人も笑った。
「いや 我が子ながら……」とごまかしてそれを財布に押し込んだ。

しかしこの写真でよかった。
彼がもしそこそこの容姿で、ものすご写りのいい写真であったなら
拾った人がイケナイ人だったらアブナイ事になるとこだった
などと
母は母でまた妄想を広げるのであった。

息子は家族が帰宅するたびに、「これを見ろ!」と財布をかざしていた。
よほど嬉しかったんだろう。

重ね重ね 拾い主さま ありがとう。
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