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木の洞にひとりごと うろ覚えのうんちく うろうろと右往左往
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夏の憂鬱のひとつに
ベランダに飛び込むセミがある。

7月はそうでもないが、
8月ともなると朝からベランダで鳴き、
鳴くならまだいいが、無言でじっとベランダの天井に潜んでいたりする。
うっかり出て凍りつく。
最悪なのは洗濯物にとまっているのに気づかず
いきなりの「じじじじっ」っとやられるとき。

だがしかし。
それ以上の悪夢が、今年我が家を襲った。

マンションに越してきて20余年。
平和な人生を送って来たのに。

それは一週間前の深夜に始まった。
寝付けないまま、ふと「コーヒーメーカーに水入れたっけ」と思い出し
のそのそと出て行って、薄明かりを頼りに作業した。
その時。

なにものかがコンロを横切った。
ような気がした。
慌てて灯りをつけたが、見つかるわけもない。

次の日薬局でほいほいと団子を買ってきた。

ずっといなかった。
去年、外から侵入したのを直後に仕留めた。
ここ20年の間で室内であれを見たのはその時きりである。
今回のあれも外からやってきたのだろう。
だから今のうちに叩いておけば。
残像にそれほどの恐怖は覚えないから、きっとまだ小さい。

しかし悪夢はそれで終わらなかった。
数日後。
リビングで寝ていた旦那がいきなり灯りをつけた。
飛び起きて見に行ったら
新聞紙を手に「逃げていった」と茫然と言った。
網戸とサッシの間をすり抜けて外に出て行ったというのだ。
そしてそれは結構大きいやつだったと言う。

大体が台所に潜んでいたものがわざわざ窓際に行くわけがない。
だからそれは侵入してきたやつが、その直後に見つかって慌てて戻ったのだ。
ちゃんと窓さえ閉めておけば大丈夫と思っていたが
網戸を押してみたら確かにサッシとの間に数ミリの隙間は出来る。

でもまさか、そこは偶然見つけた通り道で
そこを出入り口と認識してるわけじゃないだろう。

だが。
次の日の夜。
旦那帰宅直後に、リビングの壁にあれを発見した。
新聞紙で立ち向かった旦那だが、取り逃がしてしまった。
「昨日のだ」「名札でもついてたんかいっ!」
食後車を出してもらって薬局へ走る。
ほいほいだの団子だの受身的な対処じゃ駄目だ。
もっと水際の、もっと拒絶的な。

しかし悪魔避けのお札なんて売ってない。
「直射とまちぶせ」に効くというスプレーを買って帰る。
リビングと私が寝る部屋の間に撒き、網戸の隙間に吹き付け、
「どこんちが育てたやつだ! なんであんなでかくなるまで放っておいたんだ!」
と怒り狂って寝床に入る。寝られるわけがない。


悪魔への恐怖におののく生活は、オカルト映画のようである。
それまで平気で開けていた扉を怯えて開き、
暗闇を恐れ、背後の気配に敏感になる。
旦那がうっかりこぼしたプルーンの粒に悲鳴をあげ(黒いものに敏感)
自分の服の飾りが鳴らした音に悲鳴をあげ
掃除機を取りに行くのに電気をつけ、カーテンの開け閉めにも慎重だ。

オカルト映画だけじゃない。
「どこの家から来たんだ」という疑心暗鬼。
「誰かが悪意で撒いているんじゃないか。Gテロだ」
「いやまて。巣がどうのと殺虫剤に書いてある。
では我が家には遊びに来ていて朝巣に戻るのか。
あの二匹は本当に同一虫だったのか。
その前に見かけた小さいやつの親なのかも知れない。
迷子を捜しに来て…」
なわけあるか。
「習性だ。習性を考えろ。どうするのが一番効果的か」
心理サスペンスから推理モノ。そしてついには。

出た!
旦那の入浴中に。リビングには私しかいない。私がやるしかない。
棒状にした新聞紙に手が伸びたが、
待て! スプレーがある。仕留められないまでも弱らせる事は出来る。
隙間ノズルをつけたまま(その方が命中率が高いと旦那が言った。
銃身を考えてみればそうだ。それに手が濡れない)狙いを定める。

当たった!
駄目だ。手を弛めちゃ駄目だ。連射だ 連射。撃ちまくるんだ。
壁伝いに逃げるやつを追いかけ噴射し続ける。
敵は力尽き逃げるのをやめたが、それでも撃ち続ける。
相手が痙攣し、断末魔の羽ばたきをするのを見届け、尚も。
「もうよせ 死んでいる」という台詞が何かにあったな。
恨みと、生き返ったら困るという恐怖で引き金から指が離せないのだ。

ライフルを抱えたまま、死体処理班が来るのを待った。
万が一にも死体が起き上がらぬか、じっと見張りながら。


うううう。この先一体どうしたらいいのだろう。
いくらここで敵を個別撃破しても、本拠地を殲滅しない事にはどうしようもない。
せめて水際で侵入を阻みたい。

外置きタイプの毒えさを撒くか
ほいほいを繋げてベランダに固定するか…

あああああ! 誰だよ! どこんちが育ててるんだよ!
呪いみたいに呪詛返しが出来たらどんなにかいいだろう。
(呪った相手に撥ね返されると倍になって呪い主に戻るという)


結婚してすぐの頃。旦那の親の家で台所に入った。
引出しを開けたら飛び出して来た。
義母はさっとそれを叩き、素手で触覚を掴んでゴミ箱に放った。
凍りついていた私を見て「あんなの怖いの?」と笑った。
そこで漸く悲鳴が出て、私は座敷に逃げ帰った。

怖くて触れないなんて言っていられる私は幸せ者だよ 分かってるよ。
あんなもののひとつやふたつ見たくらいで人生暗くなる私は苦労知らずだよ。
でも怖いものは怖いんだ!
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