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木の洞にひとりごと うろ覚えのうんちく うろうろと右往左往
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テスト中の息子は登校時間がいつもより遅い。
食事と着替えを済ませて自室で勉強していた息子が
娘と同時に部屋から出てきた。
左右一緒にドアが開いて、それぞれ出てくる様子は
どこかの寮生活みたいで面白かった。
ふたりとも大方の支度は済んでいるので、筆箱などを鞄に入れ
靴を履くだけである。
当然玄関に向かうのも同時になる。
「早く 出て行けよ」
「ブーツなの!」
ひとエレベーターずらしたい息子はじりじりしている。
電気代が勿体無いから一緒に乗って行けと言うのに。

反抗期だねえ。
息子の反抗期を娘が全部受けてくれているので楽である。
尤も一番依存していた相手に出るような気もするから
それだけ息子は姉の存在に頼っていた事にもなる。
実際親が何らかの理由で不在の時も
娘はプレッシャーを感じていたが、息子は姉にお任せで気楽であった。

夏の盛り。息子が何かを叫んでる。
こいつが怒りで声を荒げるのも珍しいなあと、内容に耳を傾けたら
「ドアぐらい締めて着替えろよ!」と言っていた。
「だって暑いんだもん!」
「半分締めるとか 陰になるところで着替えるとか あるだろ!」

娘がいないと息子が寛ぐのがよく分かるが、
それは姉の存在がでかいからだろう。
私なんてきっと空気なんだ。ちょっかい出すとうるさがられるけど。
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